と、プロジェクトX風に行こうと思ったけど、
めんどうくさいので素で書くことにします。
同行者が撮影した写真がまだ手元にないので、実はまだ未完成だったり。

あと基本的に敬称略です。


9月上旬、10月上旬に少し休みがあることに気が付いた私は沖縄に行くことを決意。
北は稚内から南は屋久島まで日本を回ったが、いまだ沖縄は行っていない。

飛行機が怖いから。

だが安く行こうとすると飛行機しかない。
そこで某社の、レンタカー付3泊4日というフリープランツアーを申し込む。
大手の旅行会社であったが、ネット等で検索をかけてもこれより安いプランは存在しなかった。
なので早速申し込むことにする。

しかし送られてきたホテルのパンフレットを見て愕然とする。

このホテルはひょっとしたら桜玉吉「幽玄漫玉日記・4巻」において、
玉吉がO村をストーキングするために宿泊したホテルYでは!?

偶然とは恐ろしいものである。
このために今回の旅行はただの沖縄観光から、玉吉の足跡を辿る旅に変更された。
というかここら辺ですでに前のページのプロジェクトX風イントロとは事実が異なっているということがバレバレだが気にしてはいけない。

だが、我々はブサイク軍なので、当然メンバー(容疑者にあらず)は男のみ。
このホテルは「幽玄漫玉日記・4巻」によれば「一点の曇りも無いリゾート気分大爆発」な、カップルだらけのこじゃれたホテルらしいので、
男だけで行けば確実にムナしくなり、暴れだす者も出てくるであろう。

しかしそれだけではなく、今回の旅は初めからつまずいてしまっていた。
最初、数人で参加する予定が結局私と「にぼし筋肉」メンバーの京介の二人になってしまい、去年の北海道旅行と同じく男2人のホモ旅行の様相になってきたり、
入金した次の日にニューヨークテロが起こり、飛行機に乗るのが怖くなったり、
何故か「ツイン」と「ダブル」を間違えてしまい、「ダブル」を予約してしまい、危うく本当のホモ旅行になりかけたり、
いい事が無かった。
きっと不吉な事が起こる前兆であろう。

遺書でも書いておく方がいいかも知れぬ。

そう思ったがさすがにそこまではしなかった。
だが死んでしまったとき恥ずかしくないように、まず部屋を片付け、エロ画像はHDDからMO・CD−Rに焼いて隠したりした。
基本的に何か間違えているような気がするが気にしない。

1日目

家を出る前に歯を磨いていたら、手がすべり歯茎を傷つけてしまう。
これは確実に口内炎になるな、などと暗い気持ちになる。
いきなり不吉である。

京介の所有するストーリアという聞いたことも無いマイナーな車に乗せられ羽田空港へ。
どうやらトヨタのデュエットという車と同型で、しかもデュエットの方ストーリアのOEMらしいのだが、
空港の駐車場の人間ですら、車種確認のときに言えていなかったので、マイナーであることは確かであろう。

「車関係の仕事をしているのにストーリアを知らないこの駐車場の職員は人間失格〜、野島伸司〜」
と、自分の車がマイナーなことにえらく機嫌を悪くしている京介。

空港で出発を待っていたらこんなものを発見する。
ピカチュウ

ただのポケモン人形焼だが、中身を見せるため、ピカチュウの頭の部分をさくりと切り落とされており、ピカチュウ脳が露出している。
アキシャル面切断である。
かなり愉快な画だが、京都の花札屋が見たら怒りそうである。というか子供なら泣く。

搭乗が始まったが、京介が金属探知に引っかかり、「これでヒロポンと同じだちょんまげ〜」などとロッカーでもないのに喜ぶ。

そして飛行機に乗り込み、指定の座席に座る。

だが、ここでさらに不吉なことが起きてしまった。

なんと座席を間違えてしまっていたのである。
恥ずかしい思いをしながら座りなおしたが、なんとその席も間違えていたのである。

2度も席を間違え、田舎者であることを晒してしまい、死にたくなる。

実は私は飛行機初体験である。
だが京介は財布にルーブル紙幣を隠し持っていることから解るように、ロシアへの渡航したこともある、飛行機経験者である。
私は初心者なので間違えてもいいが、京介が間違えるのは恥ずかしい事である。京介が座る前に気が付くべき事であろう。
そのように私は京介を責めたが、黙殺される。

そして離陸。天気は曇り。
飛行機初体験で、かつ小心者の私はマジでビビっており、汗をびっしょりかいている。
緊張を和らげるため、なぜこの機体にはつり革が無いのか?とか、飛行機のマスコンは新幹線と同じ右側に付いているのか?とか、
何故窓は空かないのか?等の軽いボケをかましたり、
機内サービスのオレンジジュースを飲みながら「くもォ〜、下にくもォ〜っ!!」などと叫んでみたが、
やはり京介に黙殺される。

沖縄に到着。早速レンタカーを借りに行く。

だがここで当初から憂慮されていた事態に遭遇した。
レンタカー屋の中は80%がけだるいカップルであった。
この段階ですでにムナクソ悪くなっている私。

ところで今回の旅行のもう1つの目的は、「サターンに乗る事」である。
今回のツアーは車種をかなり自由に選べる。その中にサターンがあったので、このツアーにしたようなものである。
サターンとは日本車キラーとして満を持して市場に投入され、大方の予想通り逆にキラーされてしまったアメリカ車である。
どうやら国内では4年間で5000台ほどしか売れなかったらしい。
このサターンは、クーペ・セダン・ワゴンの3タイプが用意されており、
その中でもクーペは3ドアなのだが、助手席側が観音開きの2ドア・運転席側が1ドアという、特殊な構造でなかなか面白い。
だが車の「顔」のデザインが悪すぎである。とにかく目つきが悪い。外見はお世辞にもカッコイイとはいえないことも敗因であろう。
コレに乗りたいという事で予約を入れていたのだが、配車時に「クーペ・セダン・ワゴンどれにしますか?」などと聞かれる。

どうやらあまっているらしい。

やはり人気が無い車種のようだ。

当然当初の予定通りクーペを借り、走り出す。

まず車に名前をつけてやらなければならない。
旅に出る前は「プリンセス・オブ・セイルーン号」若しくは「春日部共栄マリ子号」と命名するつもりであった。
京介は「桑島真綾号」と命名するつもりであったらしい。

だが実物を見て気が変わった。この予想以上に目つきの悪い顔はアイツの顔にしか見えない。
なので「フカキョン号」と名づけることにした。
フカキョン号の雄姿・見つめられると石にされるので注意!


しかし所詮アメリカ車である。アクセル・ブレーキ・サイドブレーキ・シフト・ウインカー、どれをとっても配置が悪く運転しづらい。
あとこれはアメ車だからということではなく、レンタカー全体にいえる事だが、
アクセルペダルが軽く、ブレーキペダルが重く、サイドブレーキもゆるい。
なぜにもレンタカーとはこういう調整にしてあるのであろうか。運転しづらくてたまらない。
カップルばかりを目にして機嫌が悪くなっているところに相まって、さらに機嫌が悪くなる。
ただレスポンスはよく、キックダウンをすると一気に4000回転くらいまで上がり気持ちよく加速してくれる。
シフトチェンジ時のショックもほとんど感じられない。
なので前後を走っている車が「わ」ナンバーでカップルが乗っていると判断した場合、
意味もなく減速してはキックダウン、減速してはキックダウンを繰り返し、嫌がらせをしてみる。

そんな感じで「ひめゆりの塔」へ行き涙したり、沖縄そばをすすったり、沖縄最南端を目指したりして、
待望の玉吉が宿泊したであろうホテルYへチェックイン。
だがこのホテルYの駐車場で恐ろしい状況に遭遇する。

停車している宿泊客の車30台ほどのうち、我がフカキョン号を含めサターンが5台もあるではないか!
なんということだ。すべてレンタカーであり、人気の無い車種では無かった。
今まで一度も路上でサターンを見たことは無かったが、ここで一生分を見てしまったようだ。
ちなみにヴィッツに至っては10台ほど停車しており、かなり異様な雰囲気の駐車場である。

さて問題のチェックインである。何が問題なのか?
こちらは小汚い男2人組である。泊まるホテルはリゾート大爆発なこじゃれたホテルである。
チェックインの段階で、フロントで笑顔で「薄汚のうございますので営業妨害でございますので帰りやがれでございます」などとご丁寧に言われてしまっては、
しょんぼり本土に帰るしかない。

しかしそんなことは無く、素直にチェックインは出来た。

早速ロビーを見てみる。
写真は上層階の廊下から

たしかに「幽玄漫玉日記・4巻」111ページの2コマ目と同じく、ガラス張りエレベーター、
手前の欄干?に隠れて見にくいが白いグランドピアノ、泳ぐ海水魚が確認できる。
確実に、ホテルYとはこのホテルのことであろう。
2人、このこじゃれぶりに玉吉と同じく思いっきりしらける。

早速部屋に行く。「幽玄漫玉日記・4巻」の111ページの5コマ目の部屋のイラストと
部屋の種類が違う(ツイン。このホテルにはシングルは無いようなので、玉吉が泊まった部屋はダブルであろう)が、レイアウトはほとんど同じである。
ベランダ側から撮影

ここが玉吉が泊まったホテルであることは間違いないであろう。

窓からの風景はこんな感じだ。ホテルのビーチが確認できる。
112ページ2コマ目とほぼ同じ構図である。
写真は部屋からではなく廊下から撮影

玉吉が泊まった部屋は、O村が泊まったホテルXが見えるようだが、我々の部屋は残念ながら反対側なので見えないようだ。

バスルームに入ってみる。
写真は後から撮ったものなので使用済みのハブラシが

ガラス張りのあまりのこじゃれぶりにますますムナクソ悪くなる2人。
仕方なくベッドで「せめて温泉大浴場ォォォォォォ〜」などとうめいてみたりする。

だが希望が1つだけある。

チェックインのとき聞かされた、「本日は修学旅行のお客様がおります」の一言!
普通ならガキなどうるさいだけである。
だが修学旅行!! 女子高生(若しくは女子中学生)の水着姿や、泳ぎ終わって髪の毛がしっとり濡れた姿が部屋や廊下で見られるではないか!!
男だけの2人旅にこれほどの吉報がほかにあるだろうか? いや、無い。

おお、修学旅行らしき団体がやって来たではないか!!

 

 

 

 

 

 

 

男子校。

疲れたのでカップ焼きそばを食って寝る。

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