表紙に戻る
甲州街道道中記

 


(12) 小仏宿     ひなびた街道歩きの次は過酷な登山が待っていた。

平成18年9月21日

 日本橋から12番目の宿場となる小仏宿は、その前の駒木野宿よりさらに小さな宿場で本陣は無かった。駒木野宿から40〜50分ほど歩き、JR中央線下の煉瓦造りのトンネルをくぐると、その先が小仏宿が有った場所だが、今はわずかの民家があるのみである。

 JR中央線下のトンネルをくぐり、宿場が有ったことを想像しながら歩くこと7〜8分。民家が無くなった先がバスの終点である。

 さらにその先に「寶珠寺」という寺がある。参道脇に、全身苔にまとわれた「地蔵様」(左)が座っていたので思わず1枚撮ってしまった。

 参道の左上には東京都指定の天然記念物「カゴノキ」(右)の大木がそびえている。表皮が「鹿の子模様」になるので「カゴノキ」というのだそうだが、関東地方でこれだけの大木は珍しいのだとか。

 舗装道路が終わるといよいよ砂利道となり「登山道」(左)に入る。字路を左に入って行くのだが、30分ほど登ったところで下山者に「頂上はまだですか」と尋ねると「まだずっと先ですがガンバッテ」の温かい返事。

 杉林の中のつづら折りの道は全く見通しが悪い。 街道歩きが思わぬ登山となってしまったが小一時間登ってやっと頂上に到着。きつかった!が、とにかくほっとした。

 頂上は広場になっており、休憩所もあるがちょっと荒れた感じがする。

 広場の端の方から「峠の地蔵様」(左)がこちらを見ている。このお地蔵様は、ここに関所があったころから旅人の安全を見守ってきたのだそうだ。お地蔵さん、たまには江戸時代の話を聞かせて下さいな。

 休憩所を通り過ぎると「明治天皇小佛峠御小休止跡及御野立跡」(右)と刻まれた石碑が建てられている。そうかー、明治天皇もきつい登山道をお登りになられたのだ。威儀を正して登るのも大変だったろうなー。

 この先は神奈川県に入るが、下りなので楽ができそうだ。

 下りはじめてしばらくは歩きやすかったが次第に石ころだらけの道となり、ついには「V字の底」(左)の道をジグザグに下って行く。大きな石がごろごろ。おまけに赤土で滑りやすい。楽ではないわい。

 無我夢中で下ってきたのでどのくらいの時間歩いたのか分からないが、舗装道路が見えたときはほっとした。

 この先は道標に従って、「底沢橋」まで歩くと国道20号に合流する。ここまで来れば小原宿が近い。

 前の宿場駒木野宿へ   次の宿場小原宿へ   表紙へ戻る