K1の4バンド対応

K1は40/30m、17/15m用の2バンドフィルタボードを差し替えて使っていたが、ATUを内蔵したためにバンド交換が面倒になった。(フィルタボードの上に重ねてATUボードを実装するようになっているために、バンド交換のたびにATUボードを抜き差ししないといけない。長いビスで留めるのでこれが結構面倒)。そこで40/30/20/15mの4バンドボードにした。


K1の送信周波数は
3MhzのVFO(可変域80Khz)とXtal発振(*)をPreMixでミックスし、「PreMixフィルタ」通過後さらに5MhzXtal発振をミックスする。これを「バンドパスフィルタ」に通してドライバ、ファイナルへ導き最後に「ローパスフィルタ」を通してANTから出力される。フィルタボードにはこの3つのフィルタとPreMixのXtalが載っている。   Xtal(*) 40m/15Mhz、30m/18.1Mhz、20m/22Mhz、15m/29Mhz

いままで使っていた40/30m用の2バンドフィルタボード。左側の4つのつぼ型コアがPreMixバンドフィルタ。中央の4つはバンドパス。右側の4つのトロイダルコア部分はローパスフィルタ。


完成した4バンドフィルタボード。4バンドなので基板も混みあっているが2バンドと大きな変わりは無い。スペースの都合でつぼ型コアをやめてトリマコンデンサにしたのだろう。緑のボックスはリレー。


いつものようにトロイダルコアの巻数とエナメル線の先端処理に注意した。先端のエナメルを剥がす方法として前回と同じようにライターの炎で軽くあぶって、あとはペーパで磨いた。きれいに銅芯が出た。先端をボードのホールに挿して半田付けするときに、被覆がきれいにはがれていないで接続不良になるトラブルが多いようだ。

メインボードのCPUファームは、挿入されているフィルタボードが2バンドか4バンドかを識別してくれる。
調整は各バンドについて受信信号が最大になるようにトリマコンデンサで行う。その後送信パワーが最大になるように再度トリマ調整を行う。ATUボードを実装したときにRFデータ取り込みの回路のRをはずす変更をしてあったが、それをもとに戻し、またコネクタピンをジャンパしたりして調整を行った。チョット面倒。最近のK1キットではこの手間がかからないように工夫がされているらしい。最後にATUボードを組み込み4バンドで動作することを確認した。

窓際ビニールアンテナを40mバンドにチューンさせ、3W出力で国内移動局とQSOできWも聞こえた。20/15mではYBやLUもワッチできた。DXのQSOはANTとcondx次第だろう。もとより片手に乗るサイズで4バンドでMax5Wが楽しめるのはうれしい。休日一日で完成した。


フィルタボード上のPreMix、バンドパス回路は各バンド独立であるが、ANT直前にあるローパスフィルタは40/30m用、20/15m用と共用されている。


2バンドフィルタボードのローパス(40m用)
(K1回路図から)







4バンドフィルタボードのローパス(40/30m用)
(K1回路図から)







そこで両フィルタの周波数特性をCircuitViewer(http://www.micronet.co.jp/)で描かせてみた。


2バンドボードの7Mhzローパスフィルタ特性










4バンドボードのローパスフィルタ特性
2バンド共用(7MHz、10MHz)。楕円フィルタなのでキレが良さそう。パスバンドも7と10は別になっているようだ。








(2005.Nov.08)


トラブルシューティング
30mバンドでPWR出力設定を5Wにすると、外部PWR計で8〜10Wほど出ていることがわかった。ALCがおかしいか?K1のPWR設定はRFデータを取り込んでその電圧をもとにCPUがALCを計算してPreMIxに与えている。この動作はTUNEボタンを押した数十秒間のみで行われる。(マニュアルでは"OpenLoop"と呼んでいる)。CPUでどのように決めているかはファームの処理なのでわからない。エレクトロデザイン社にメール連絡をとったら木下さんからすぐに返事をいただいた。「PWR設定値を変えても大きすぎるPWRが変わらないのは、寄生発振かもしれない。送ってもらえばチェックします。」とのことだったが、 2バンドフィルタを使っていたときに21Mバンドの出力を上げるためにドライバのエミッタにパスコンを入れていたことを思い出したのでまずは自分でチェック。


オシロのFFT表示機能でANT端子のスペクトルを見たらなんと5MHzあたりに本来の10MHzと同じくらい強い信号が出ていた(左側の画面中の左側のピーク)。これでは5W設定でも外部PWR計の指示が10Wになるのも当然か。ドライバのパスコンを除去したらピークがきれいに消えた(右の画面)。パスコンの値が大きすぎたようだ。念のため他のバンドのスペクトルもチェックした。
しかしPreMix、RFバンドパスフィルタのトリマ調整をしたら、こんどは10MHzバンドで5W設定で3Wくらいしか出なくなった。これはローパスのコイルの巻き線間隔を広げて回復した。ローパスは調整箇所がなく、パスバンドも7/10MHzと近いので両バンドともうまくパスするようにLの調整が必要なようだ。(上記ローパスの特性図からもそれが言えるかも)。
全バンド調整終了の結果、PWR設定値が5Wまでは設定値通りの出力が得られ、Maxは7/10/14MHzでは6.5〜7.1W、21MHzでは5.7Wほどとなった。5WのQRP機なのでこれで十分な結果だ。木下さんアドバイスありがとうございました。

(2005.Nov.13)


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